相続に関する登記(共同相続登記)について?
相続に関する登記について
(1)共同相続の場合
①遺産分割協議前(成立前)─法定相続分による共同相続登記について
共同相続登記とは、㋐共同相続人全員により、または㋑共同相続人の一人が全員のために(民252但書)、「相続」を原因とする法定相続分に応じた共有の登記をすることです。
この登記がなされるのは㋐遺産分割協議が終局的(物事の結末がつくこと)に法定相続分どおりの相続をする場合と、㋑遺産分割協議が成立する前に暫定的(確定するまでの間、一時的にそうしておくさま・仮に定めるさま)に共同相続登記をしておく場合の2通りがあります。
もっとも、後者㋑の場合のような共同相続登記を経ることなく、遺産分割協議後(成立)にその協議内容に応じた相続登記をする方がむしろ多いと思われます。
二度の登記をすることは、手続きも登記費用も二重になることなどの理由からです。
(出版物) 改定 遺産分割 実務マニュアル 発行 株式会社ぎようせい
編集 東京弁護士会法友全期会相続実務研究会 より文献を引用しました。
弊社にもごくまれに、上記のような㋐ないし㋑による共同相続登記をなし、ご自身の持ち分を売却したいとのお客様のご依頼をいただくことがあります。
しかしながら、登記簿謄本を見る限りにおいては、上記の遺産分割協議前(成立前)の法定相続による共同相続登記が㋐の終局的なのか㋑の暫定的なのかは登記簿の記載上いずれも同じ記載になることから区別がつきません。
かと言って、法務局に提出した登記申請書を確認することまでは致しません。又、持ち分を購入したいという方もなかなかいないと思われます。
仮にいたとしても、遺産分割協議に第三者が入ることにより他の相続人が大変困惑した状況になり、分割が更に難しいものになると予想されます。
したがいまして、弊社ではこの様なご自身の持ち分の売却のご依頼をお受けできないという方針でありす。